瀬尾まいこさんといえば、この本!
『そして、バトンは渡された』ではないでしょうか。
目次
『そしてバトンは渡された』のあらすじ
主人公の優子は幼い頃に母親を亡くし、父親は再婚する。
父は海外赴任することになり、継母の梨花さんは行かないと言う。そして、主人公は継母といることを選ぶ。
そして、高校生になった今は血のつながりのない父、森宮さんと一緒に暮らしている。
これだけ聞くと優子の不幸な話を描いているのかと思ってしまいます。実際、優子は学校の先生や周りから心配されたり、境遇をからかわれたりします。
でも、この話はそんな不幸な話ではありません。
寂しい思いをしながらもたくさんの大人から愛情を受けて育っていく優子。優子が優子の親となったそれぞれの大人の事情と優子への思いに成長と共に気づいていく、そんな温かい物語です。
『そして、バトンは渡された』から一行を選ぶ
紹介したい一行、今回は迷いませんでした!
どんな厄介なことが付いて回ったとしても、自分以外の未来に手が触れられる毎日を手放すなんて、俺は考えられない―p315‐316『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
ある日、優子の父となって2人で暮らす森宮さんのところに継母の梨花さんから離婚届が送られてきます。
優子は森宮さんは血のつながっていない父親なので、この先どうしようかと考えます。誰と暮らすのか、あるいは一人で生きる準備をしなくては、と。
そんなときに、森宮さんが優子に言った言葉です。
優子は自分のことをお荷物だと思っていて、今までの親たちは自分といるよりも優子にとっていいからいう思いで優子を手放してきた。でも、森宮さんは優子の父親で居続けたいと思っている。そんな思いが優子に伝わる一言です。
この言葉をもらってから、優子は自分の名前を「森宮優子」だと自信をもって思えるようになり、森宮さんが父親じゃなきゃ嫌だと思えるようになります。
『そして、バトンは渡された』映画と小説どっちがいい?
映画化もされていて、梨花さんは石原さとみ、森宮さんは田中圭、優子は永野芽郁が演じています。
映画も人気でしたが、やっぱり小説がおすすめです!(私に言わせるとどんな作品も結局小説がおすすめになってしまうのですが・・・)
映画になって小説の中の言葉がセリフになると急に安っぽい感じになってしまうんですよね、、言葉に出すと超クサイ台詞も文字で読んだら泣けてしまう。うーん、小説マジック!
あと、映画だとこの物語に出てくる一人ひとりの思いが描ききれていないなーと思い、やっぱり小説だなと。
田中圭はめちゃめちゃかっこいいし、石原さとみもやたらと美しいので映像美はあります!!
家族といると当たり前なことが、この物語では他人同士の家族だからこそお互いを大事に思いあう姿が描かれています。
家族と過ごす毎日を大切にしたいなあと改めて思わせてくれる心温まる作品です。
是非読んでみてくださいね。