重松清さんの本で初めて読んだ本です。
中学生のときに北辰テスト(埼玉県の統一テスト)の国語の問題で一部が抜粋で出てきました。
テストで面白い本にあたるというのは初めての経験でした。
テストを受けた後に本屋に買いに行きました。
当時、読んだときはただ面白いと思っただけでしたが、大人になって読むと思春期のときに感じた自分では処理できない気持ちを思い出します。
読むタイミングで同じ内容でも感じ方が違うというのは中々味わえない経験でした。
もっと小さい頃にたくさん本を読んでおけばよかったと思いますが、こればかりはどうすることもできませんね。
恥ずかしながら、私はやっと30過ぎて本を読んで色々なことを感じられるようになりました。
でも、本を読むというのは読みたいと思ったときが一番吸収できるときなのかもしれない、と後悔する気持ちに折り合いをつけています。
選んだ一行はこちら。
タカやん、オレはもう、ここまでおまえと同じになった。だから、だいじょうぶ、オレはおまえじゃない。・・・p418
クラスの一人が通り魔になった後、通り魔と自分を重ねて葛藤するエイジがやっと自分を取り戻したシーンです。
自分が中二のときここまで人の気持ちを考えたり、想像力を働かせることはできていたか振り返ると、できていなかったかなと思います。
中二なんてただひたすらに自分勝手に自分のことだけを考えて生きていたような気がする。
自分のことばかり考えている一方で、とにかく周りの友達がやっていることが気になって、自分もそれをやらないといけない気がして必死になっていたような。
エイジの中にも同じような葛藤があって、もしかするとエイジはそんな自己中心的なようで人のことも気になる複雑な心境を描き出した作品なのかもしれません。
どの部分がテストで使われていたのか忘れてしまったのですが、中学生の心境がリアルに描かれているのでどのシーンでもおかしくないかなと思ってしまいます。
重松清さんの代表作!まだ読んだことがない方はぜひ読んでみてくださいね!