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「かがみの孤城」のネタバレ詳細
かがみの孤城のネタバレになります。
長くなってしまうので、登場人物達の人間関係や心境には触れず、ストーリーのみを紹介したいと思います。
主人公”こころ”は不登校の中学生女子
主人公のこころは中学一年生の女の子。
中学に入学して早々に女子グループのリーダー各、真田美織を中心としたグループからいじめを受ける。
きっかけは真田美織が付き合うことになった男子が小学生時代にこころを好きだったことが原因。
いじめに耐えて学校に通っていたこころだが、あることをきっかけに不登校になる。
-こころが家に帰宅すると、真田美織とそのとりまきが家におしかけドアや窓をドンドン叩き「出てこい卑怯者ー」など怒鳴る声が聞こえる。
共働きで家に一人だったこころは急いで家中のカーテンを閉め、ソファの足元で縮こまって耳を塞ぐ。真田美織たちが帰った後、緊張から解放されたこころは眠ってしまう。
お母さんが帰宅して目を覚ましたこころは、お母さんにうっかり寝ちゃったと言い、その日あった出来事は話せなかった。
次の日から学校に行こうとするとお腹が痛くなって行けなくなってしまう。
フリースクールの喜多嶋先生との出会い
お母さんからフリースクールに行ってみないかと誘われて「こころの学校」の見学に行ったこころ。
優しい喜多嶋先生に出会う。
お母さんの期待をよそにフリースクールにも通えないこころ。
でも、物語の中では喜多嶋先生に段々と心を開いていくことになる。喜多嶋先生の正体は物語の終盤に明らかになる。
家に引きこもるこころに起こった不思議な出来事
いつものようにこころが平日の昼間、家で一人で過ごしていると部屋の鏡から光がもれている。
こころが手を触れるとかがみの中にすいこまれる。
中には城があり、おおかみの仮面を付けた少女“おおかみさま”が現れる。
赤い洋服でオオカミの仮面。赤ずきんちゃんを想像する。
話し方は命令口調でなんともませた女の子という印象。
城にはこころと同じように集められた子どもがこころを含め7人いる。
“おおかみさま”は7人に以下のような説明をする。
- 城が存在するのは3月30日まで。(3月31日でない理由は物語終盤でわかる)
- 城の中にある鍵を手に入れて願いの部屋に入れた者の願いを1つだけ叶えることができる。
- 城が開いているのは日本時間の9時~17時。
- それ以降に城に残っているものがいた場合、おおかみに食べられてしまう。
- 願いを叶えた時点で、城での出来事は7人の記憶から消える。
- 鍵が3月30日までにみつからなければ、城は消えるが城での記憶は7人の中に残る。
突拍子もない話にはじめの内は半信半疑な7人も段々とおおかみさまの話を信じ、城での生活を楽しみつつも鍵を探すようになる。
こころの願いは
-真田美織が、この世から消えますように。
でも、鍵は中々みつからず、いつしかみんなは探さずにこのまま記憶を残したままの方が良いと思うようになる。
登場人物。城に集められた7人について
城に集められた7人は城に出入りできる時間9時~17時に家にいる。
つまり学校に行っていないということをお互いに感じとる。
7人は城に出入りするようになりなんとなく仲良くなっていく。
ポプラ社さんより発売中 辻村深月さん著
— 禅之助 (@rakugaki100page) June 7, 2017
『かがみの孤城』 にて描かせて頂いた人物イラストです。#かがみの孤城 pic.twitter.com/T86k2ZlFJx
以下女の子
こころ…主人公の女の子。中学一年生。いじめが原因で不登校。
アキ…さっぱりとして明るい中学三年生。こころはアキの明るい性格から、なぜ不登校なのか疑問に思う。途中で赤色に髪を染めてくる。少しトラブルメーカーっぽいキャラ。
フウカ…中学二年生。眼鏡をかけていて真面目そうな見た目。割とはっきりと物事を言うのでこころははじめのうちは苦手に感じるが、徐々に仲良くなる。
以下男の子
マサムネ…中学二年生。ゲーム好きな男の子。学校なんて行く価値ないと言い切る。素っ気ないふるまいをしたり強気な発言をするが、実は優しい。
スバル…中学三年生。ハリーポッターのロンに似ているとこころは思う。少し大人びている不思議な感じの男の子。
ウレシノ…中学一年生。食べることが大好きで、すぐに女の子を好きになる。3人の女子全員を順番に好きになり、うざがられる。でも、どこか憎めないキャラ。
リオン…中学一年生。イケメンで日焼けした男の子。7人の中で一人だけ不登校ではない。ハワイの学校に通っていて、時差があるから放課後城にやってきている。
7人の共通点
あるとき城でアキが泣きながら座っている。泣いている理由は大好きなおばあちゃんが亡くなったから。
こころはアキの姿を見て驚く。
制服がこころの通う中学と同じだったからだ。
そしてリオン以外の全員がこころと同じように驚く。
実はリオン以外の6人は同じ中学の生徒だったのだ。
そして、リオンもハワイの学校に行っていなければ同じ中学に通っていたと告白する。
リオンがなんで自分もなんだと”おおかみさま”に聞くと
「だってお前、行きたがっていただろう。日本の、自分の住む学区にある公立中学校に」
と答え、リオンは胸を射抜かれたように棒立ちになる。
同じ中学と知って、どこの小学校出身かや近くのショッピングモールの話をする。共通の話題で盛り上がる。
こころが好きなフリースクールの喜多嶋先生のこともウレシノとマサムネは知っていた。
マサムネのお願い
12月に城で行ったクリスマスパーティーでマサムネがみんなにあるお願いをする。
三学期から親に違う学校に行くように言われたが、4月まで先送りするために1日だけ学校に通う。心細いから、三学期の初日、みんなも一緒に登校してほしいというお願い。
城の外、現実世界の学校に来てほしいというお願いだった。
リオン以外のみんなは三学期の初日、学校の保健室に行くことを決める。
三学期初日
そうして迎えた三学期の初日。
こころは登校時刻より少し遅い時間に保健室に向かった。
学校に行くことは勇気がいったが、みんながいると思うと頑張れた。
下駄箱に真田美織からの手紙が入っていることに驚く。
内容は自分の行動を反省するどころか、自分を嫌わないでという内容。こころは怒りで手紙を握りつぶす。
みんなに会いたいと思い、保健室に急ぐ。
でも、保健室には養護の先生しかいない。必死にみんなの名前を言って来ていませんかと聞く。
でも、そんな名前の子いたかなと言われる。
みんなには会えないということを感じ取るこころ。
フリースクールの喜多嶋先生が保健室にやってくる。こころはショックで気絶してしまう。
現実世界で会えない理由
城に行くとこころはアキに「どうして来なかったの?」と聞かれた。
行ったとこたえるこころ。
実はみんな学校に行っていたのに会えなかったのだ・・・
しばらく城に来ないマサムネをみんな心配する。裏切られたと思ったショックでもう来ないんじゃないだろうかと。
マサムネの推理。7人はパラレルワールドに存在している?
マサムネが来たのは2月に入ってからだった。
みんなが裏切るはずがないと思ったマサムネは必死に会えなかった理由を考えていた。
そして出した結論が自分達はそれぞれが違う世界に存在しているということ。つまり、城がパラレルワールドをつないでいるということだった。
そして、もし鍵がみつかって願いを叶えると願いを叶えた人物以外の正解は消失する。鍵がみつからなければそのまま世界が残るか、全員の世界が消える。
“おおかみさま”にこの話をする。でも、おおかみさまはそれは違う。更に現実世界でも会えないこともないとこたえる。
どういうことかわからず、結局みんなパラレルワールドの住人だと思って残りの期間を過ごすようになる。
城での最後の日3月30日の前日
こころは最後の日の前日3月29日は現実世界で喜多嶋先生と話しをしていて城に行けずにいた。
五時を過ぎて家に帰宅したこころは2階の自分の部屋が光っていることに気づく。
そしてバンッというガラスが吹き飛ぶ音が聞こえ、急いで部屋に入る。
なんと鏡が割れていた。鏡の破片にみんなの姿が見える。
リオンが「アキがルールを破った」と話す。
五時を過ぎても城から出ず、オオカミに食べられてしまったのだ。
そして、みんなも連帯責任でこれからオオカミに食べられることになる。
みんなはこころにお願いする。
願いの鍵をみつけて、アキを救ってほしいと。
こころの鍵探し
こころは城が『赤ずきん』ではなく、『七ひきの子ヤギ』になぞらえていることに気づく。
城に招かれた7人は七ひきの子ヤギで、おおかみさまはお母さんになりすますおおかみと考えればつじつまが合う。
『七ひきの子ヤギ』の絵本を手に取り、城の中に向かう。
オオカミにみつからないように必死で城の中を動くこころ。物語の中で子ヤギたちが隠れた場所を順に追っていく。
その場所には×印が書いてあり触れると城のメンバーの記憶がこころの頭の中に流れ込んでくる。
こころは城の謎を解くために全員の記憶をみてまわった。
そして、『七ひきの子ヤギ』の中で唯一オオカミに食べられなかった子ヤギが隠れていた大時計を開く。振子の裏に鍵がついていて、振り子の奥には鍵穴が見えた。
こころは願いの部屋の鍵をあけ、みんなを助けてほしいという願いを叶える。
城の謎の答え。
こころは全員の記憶をたどり、城の謎の結論を導いた。
それは、7人が存在しているのはパラレルワールドなんかじゃなく同じ現実世界。
ただし、7人がやってきた時代が違うということ。
アキはポケベルを使い、ウレシノが会っている喜多嶋先生はこころの知る喜多嶋先生よりもずっと年をとっていた。
- スバルは1985年
- アキは1992年
- こころとリオンは2006年
- マサムネが2013年
- フウカが2020年
- ウレシノが2027年
7人の話が時々食い違っていたことが一致する。
わずかな残された時間、みんなで城での思い出や感謝の気持ちを話す。
最後に自分達の本名を言い、各々思いを伝えあって城から現実世界へと帰っていく。
“オオカミさま”の正体
リオンは最後にオオカミさまの正体にたどり着く。
オオカミさまの正体はリオンの死んだ姉実音(ミオン)だった。実音はリオンが6歳のときに13歳で亡くなっていた。
7人がやってきた時代が7年置きなのに、1999年が抜けているのは、実音の年だったからだ。
実音はリオンと一緒に学校に行きたかった。もっと一緒に遊びたかった。
そして、リオンは本当はハワイの学校ではなく日本の中学校に通いたいと思っていた。
その願いを叶えるため、ミオンは7人を城に招待したのだ。
城を「七ひきの子ヤギ」になぞらえたのは、身体が弱くて参加できなかったお遊戯会のテーマが七ひきの子ヤギだったから。
城の閉まる3月30日は実音の命日だった。
喜多嶋先生の正体
最後に喜多嶋先生の招待はアキの将来の姿。
城の中では問題児だったアキだが、大人になってはこころ達を助ける側にまわっていたのである。
こころのその後
こころは二年生になると同時に再び中学校に通いはじめることにする。
たかが学校。自分には他にも居場所があるから大丈夫。と思えるようになっていた。
2年生の一学期の初日、こころは「よぉ」と男の子に声をかけられる。
名札に「水守」と書かれている。
-水守はリオンの苗字だった。
かがみの孤城まとめ
パラレルワールドが出てきたときは、最近の物語にありがちなパターンで少しがっくりしましたが、そうではなく時代が違ったというところがおもしろいところです。
物語の布石も最後にはしっかりと回収されているので、読んだ後にスッキリします。
今回はストーリーの部分だけを紹介し、それぞれが不登校になった理由やこころのその後には触れていませんが、その辺の内容もとても濃く描かれているのでおもしろいです。
主人公のこころの心境と不登校児を抱えた親や先生の思いがそれぞれ食い違っているところなんかは、不登校の経験がない私も中学時代の自分の心境と重なる部分がありました。
ネタバレをしてしまいましたが、それでも読む価値ありです。
読み切ったら売ってしまおうと思っていましたが、将来娘にも読んでほしいのでとっておきたいと思います!
おーしまいっ!